大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和32(オ)568 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人沢田・治郎の上告論旨について。

原判文によれば、原審は、本件家屋の賃貸借は、賃借人である上告人が賃貸人で

ある被上告人に無断で、右家屋に原判示の如く度重なる大改造を加える等契約違反

を犯したため、被上告人により解除せられたけれども、上告人の懇請により、被上

告人は一ヶ年を限つて右家屋の明渡を猶予し、明渡を確保するため、上告人に、右

猶予期限を徒過するときは一日につき五〇〇円の損害金を支払うとの制裁を受くる

ことを諾約せしめ、昭和二六年六月一日公証人より以上の約旨を記載した公正証書

の作成を受けたものであるとの事実を確定して居ること明かである。

而して右の如き事情の下においては、原審が、約定損害金をたとえ所論の如く賃

料の約三三倍(現実においては、被上告人は賃料の割合で損害金を訴求して居る。)

と約束して居つたとしても、未だこれを以つて権利乱用、信義則並に公序良俗違反

といえないと判断したのは相当である。

したがつて、原判決に所論の違法はないから、論旨は理由がない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 石 坂 修 一

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 高 橋 潔

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